ななかまどの化学成分
最初にことわっておきますが、ななかまどは食品として確立した食品ではありません。

むしろ、生薬として認知されています。

化学成分ですが、ななかまど特有の「生臭い」「苦い」の成分に特化します。

1)アミグダリン、以下化学式



2)d-マンデロニトリル-グルコシド (別名 プルナシン)、以下化学式



3)色素は、アントシアニン色素



ななかまどゼリーを開発するに至って・・・

ななかまどには毒性があることです。青梅、小豆などに含まれる「シアン化合物」です。梅干しやあんこは、古来から解毒する知恵があり食品として認知されていますが、ななかまどは大変むずかしいのが現実です。しかし、渡り鳥の「つぐみ」「ヒレンジャク」は生で食べても死にません。なにかそこに秘密があります。北海道では、街路樹にななかまどを植えます。渡り鳥がきれいに食べ尽くす木と、隣にあるのに全く食べられていない木があります。渡り鳥は食べ頃を知っている。そうに違いない、試しに鳥の食べ残しを食べてみる、甘くはないが苦みは少ない。

ここで昔から言われている、「霜」のあたった実は毒が抜ける事を思い出した。

大変恐縮だが、鳥の食べている木の実を採取してくる。(たいていは、人間の手の届く下枝は実が残っていることが多い)その実を人為的に冷凍、解凍を繰り返す、つまり加水分解処理する。これで苦みはとれ、毒素も分解される。しかし確実ではないのが実際の話です。

さらに確実な物にしなければなりません、私の場合は「セルラーゼ」セルロース分解酵素を使い、うらごしした果肉に添加して、45℃の湯煎しました(約1時間)これで繊維質が壊されます。

その後は、水、砂糖、アーモンド、ペクチンを加え沸騰させます。

うらごしして果汁の出来上がりです。

アーモンドを入れるのは、β-グルコシターゼ酵素による分解が目的です。(エムルシン処理)

分解の過程で、「ベンズアルデヒド」(杏仁油)とシアン化水素に分解されます。シアン化水素は、pH3以下になると発生します。大変危険な猛毒性のガスです。そのため、発生をおさえるためにバッファー(緩衝剤)の役目を果たす「ペクチン」を入れます。シアン化水素は「ギ酸」とアンモニアに分解されます。

「ペクチン」にはカルシウム等の陽イオン類が結合しており、生成される「ギ酸」を中和して、pHが下がるのをおさえる効果があります。

アントシアニン色素は、処理の段階で完全に分解されます。何か別の代用品で補う必要があります。私は「カシス」の色素を代用しました。

以上 当店で開発した「ナナカマドゼリー」の開発日記でした。現在はナナカマドゼリーの販売は中止しています。